歯の治療の材料を拡大してみると
2020.08.17
こんにちは、歯科医師の椎名です。
暑い日々が続きますね。マスクをして外を歩くのも一苦労です。
さて、今日は歯科で白く歯を治す二つの材料についてお話しします。
一つ目はコンポジットレジン(略称はCR)といい、プラスチックの一種になります。
削ったところに近い色のレジンを詰めて、光を当てて接着させつつ硬化させます。
長所としては治療が1回で済むのですが、材料としてはすり減りやすく色がつきやすいという短所もあります。
セラミックに比べて歯とプラスチックの間に虫歯ができやすいこと、
お口の中で直接形を作らなければならないので精密な形の再現が難しいことも短所と言えます。
二つ目はセラミック(陶材)です。
こちらは型取りを行うため最低でも2回の治療回数となります。
長所はすり減りや着色という材料の劣化が非常に少ないこと、材料と歯の境い目の虫歯の再発率が低いことです。
短所は上記治療回数がプラスチックを詰める一回治療よりもかかってしまうこと、
保険外診療となるため費用が保険診療に比べてかかるところでしょうか。
画面左がプラスチックの500倍拡大画像、右がセラミックの500倍拡大画像です。
左のプラスチック表面は一見スポンジのようにも見えますよね。
この凸凹に細菌や汚れがつきやすいということです。
なかなか肉眼でわからない材料の差ですが、数年後の歯の状態には大きく関わってきます。